ザ・チャレンジ

ザ・ゲームという本があって、しばらくそれを読んでいた。

なんの本かというと、ずばりナンパの本なんだけど、これだと下世話なイメージを持たれてしまうかもしれない。

でもナンパって要は「自分を他人に売り込むこと」であって、この能力って社会で生きていく上でかなーり使い道があると思うんよ。

例えば就活の面接だって、自分を企業に売り込む作業なわけで。

如何に自分が、顕在的であれ潜在的であれ、価値のある人間かということを短時間で見せつける必要がある、面接ってそういうもんよね。

働いてるときでもそれはそうで、経営者やお客さんに「こいつは使えるな、何かいい感じだな!」という風に自分の見せ方を考えていかなきゃいけないし、仮にバイトだとしても、そこの努力を怠る人はクビ切られたりするはずなんだ。

 

自分の売り込み方…これ俺は本当に苦手で。

特に言葉で「自分はこういう人間で、こういうところが凄い!」って自分で言っちゃえる人間ってなんか違くない?とずっと思ってきた。

なんか恥ずかしいじゃんか。

だから今まで面接だって死ぬほど苦手だし、恋愛もからっきしだった。

 

人見知りな人間は自分の価値を伝えるのが苦手。

価値は高めるだけじゃなくて、人に伝えないと価値とは言えない。

んで価値を伝えるってことは、同時に人の心を動かすってことだから、自分を売り込める人は人の信頼を集めたり人を動かすことにも長けている。

こういう人はリーダーとしての資質があるって言えるだろうし、金も女も人望も手に入れることが出来る可能性は高いと考える。

仕事が出来るだけの人と、仕事が出来てかつ仕事の出来っぷりを見せつけるのが上手い人では差ができるのは明白だ。

あと、自分を売り込める人って自分の長所とその見せ方を知ってるから、簡単に言うとオーラがあるんよね。

コンビニ常連の店長や経営者クラスの人って、大体オーラがある。

自分の長所を知ってる。短所の隠し方を知ってる。自分の見せ方を知ってる。自分の売り出し方を知ってる。故にオーラを纏ってる。魅力が最大限に引き出されるんだ。「この人と話したい!また会いたい!」と思われるんだ。

 

話飛んだ?けどナンパとビジネスは似てる。モテる奴は面接に受かりやすい、と昔オーナーだったおばちゃんが言ってたけどその通りなのかなと。

 

ザ・ゲームという本は、ニール・ストラウスという人が、ミステリーと名乗るPUA(ピックアップアーティスト。ナンパ師のこと)と出会ったことで、ナンパの世界に引き込まれて大きく人生が変わっていく話だ。ストーリーとしてもかなり面白いし、こんだけ女を思い通りに出来たら心底楽しいだろうな、と思いつつも最後は意外にもナンパに絶望して離れていく話だった。

 

で、その続編のザ・チャレンジという本を先日見つけた。30日間のプロセスでナンパを体系的に実践して会得していくという、前作よりノウハウに重きを置いた作りになっている。

1日目のミッションは〜、2日目は〜、みたいな感じで毎日ミッションをこなさなければいけない感じになってるのだ。

で昨日、1日目のミッションをこなしてきた。見知らぬ人5人に話しかけて、会話を成立させろというものだった。

いきなり5人はきついだろ…と思ってたんだけど、ここで上限設定という話が出て来る。

人は自分で自分に無意識に上限を設定していて、自分にはそんなこと出来ないと信じることで出来ることでも出来なくなっているだけだということ。

課題に対してハードルを感じるならばこの上限を外してやればよいとのこと。そのためには、「今まで〜してきて〜だったことがあるか?」と自分に問いかける。

「今まで初対面の人間に話しかけて、無視されたり馬鹿にされたりしたことがあったか?」

こんな感じで。

俺は知らない人に話しかけるということにハードルを感じていたが、確かにそんなことは滅多にない。

てな感じで自分を鼓舞して5人に話しかけてきた。

対象としては、セブン店員、ローソン店員、文教堂店員、セブン店員、ラーメン店主。

最初のセブン店員の女子高生に「台風あったけど、だいぶ商品戻りましたね」と話しかけたところ、「そうですね」と返され会話が終わってしまった。まあ話しかけた時点で成功ではあるんだけど何がいけなかったのだろうか。

二人目のローソンでは新入りの男子高校生に話しかけた。ローソンのレジが自動で釣り銭を排出する形になっていたのでそのことについて聞いてみたら、意外と話が続いたのだ。

自分が新入りで、入ったときからこのレジで、楽で良い、とかラッキーだった、みたいなエピソードを話してくれた。

思うに、はい、とかいいえ、とかそうですね、で会話が終わるような声のかけ方をしてはいけないということ。相手が自分のエピソードを語りたくなるような声掛けをしなければいけない。そのためには相手にとっても関心のある話題を振らなければいけないのだ。

ほかに大事なのは、話しかけるのが目的で話しかけてる、ということを悟られないということ。これは自分の気持ちの問題だが。

「天気良いですね」なんかは明らかに、必要か必要ないかで言えば必要ない部類に入る。明らかに話しかくて話しかけたってのが分かる。まあそれでもいいんだけどなんか自然じゃない気がして気が引けてしまうんよな。そうじゃなくて必要があって話しかけた、もしくは強く興味を惹かれて自然と訪ねてしまった、とかそんなのがやりやすい。それでいて相手にも直接関わる話題だったら、相手も乗りやすいだろう。

3人目は文教堂で仕事中のお姉さん。

本屋のくせにお菓子やジュースが置いてあって普通に興味を惹かれて立ち止まったら、そのコーナーにハロウィンの飾り付けをしているお姉さんがいたので話しかけた。

「今こんなものも売ってるんですねぇ」

 

・自分が興味があって自然に訪ねた

・相手の仕事について訪ねた

 

これらの条件を満たした声掛けだった。んでもってコンビニと違うのは、レジでの声掛けではないこと。レジだったらお金と商品のやりとりをするわけだから、相手と自然に関係性が作られるんだけど、その辺で作業している人とは関係性がない。つまり相手はこちらに話しかけられるとは思ってないし、こっちの存在を認識してもいない。これがちょっと難しい。

いきなり後ろから声かけたらびっくりするだろうし、それが「ボールペンはどこに置いてますか」みたいな必要請のある声掛けではない場合、不自然な感じになってしまう。

だからまず、声をかける前に可能な限りこちらを認識させ、興味を持たせる必要があった。

思うのは、全く関係ない人同士が互いに興味を持つ状況って、「興味の対象を共有したとき」もしくは「課題を共有したとき」だと思うんよ。

例えばエレベーターで二人で乗ってるとき、急に停電してエレベーターに閉じ込められたとしたら?ほぼ確実に話しかけると思う。多分言葉の通じなさそうな外人でも話しかける。「これどうすんだ?」っていう課題を共有してるから非常に話しかけやすい状況になるはずだ。あとは例えば飲食店で一つのテレビを見ているときとか。もしくは近くで交通事故があったりしたとか。興味の対象を共有すると、自然と言葉を交わしたくなるはず。

文教堂のお姉さんに声をかける際、まずは自分を認識させるために、横に立って視界に入った。次にこちらに少し興味を抱かせるために、商品について興味を持つような仕草や、んん?みたいな独り言を言ったりした。お姉さんが今整えている商品だということが肝。するとお姉さんはこちらに視線を一瞬だけ向けて、「いかがですか?」みたいな雰囲気を出してきた。この時点で話しかける土台は整ったと言える。あとは商品について訪ねて、返ってきた言葉にやや大げさ気味にリアクションを返した。

 

・自分を認識させ、自分に対して少し興味を持たせる

・興味の対象を共有する

 

で会話は終わってサバイバーという謎のエナジードリンクがあったので買ってみることに。ここに来てレジにいたさっきとは別のお姉さんの無愛想っぷりが凄い。どう見ても話しかけにくいし、話しかけても会話は到底盛り上がらなさそうに見えた。一人目に話しかけたセブンの女子高生もそうだけど、無愛想な感じの人は話しかけるのを躊躇ってしまう。ここでは結局話しかけられなかったけど、どうすれば良かったのだろうか。

思うのは、話す気がない人と話すことは出来ないっていうことか。時間がない、話す必要を感じない、と思ってる人と話し続けることは出来ない。どうすれば「話さなきゃ」「話したい」と思わせることが出来るだろうか。

店員の立場から考えると、まあコンビニや本屋であれば聞かれたことに答えとけばいい、少なくとも無視しなければそれでいい、みたいなとこはあると思う(やる気のない店員は特に)。

んでこっちとしても、楽しく話してくれないからと言って文句を言うことなんて出来るはずもない。

であれば、話さなきゃいけないなんてルールがない場所で話をしてもらうには、まず話のきっかけを作って話しかけた後、いかに話したいと思わせるかが大事になる。

自分がいかに話を聞きたがっているかを示す必要があるし、相手にとっても話したくなる話題提供が必要だ。出来る店員はここまで気を遣わなくても話をしてくれるんだけどね。

なんか話がループしてるけど、話したくなる話題を提供するのが大事なんやなぁ。

 

人って何を話したがるのか?

どんな人相手だと「話したい」「話していいんだ」と思えるのか?

 

自分に置き換えて考えてみる。話をしたくなる状況はどんな状況か?

 

俺が接客してて仮にお客さん相手に話したい話ったら、「さっき目の前でゲロ吐きながらトイレに走ってった客がいた」とかか。もし話していいならだけど。

なんか仕事に関する愚痴とか事件とか苦労話って話したくなるよね。ただお客さん相手にそんな話をすると「あんたやる気あるの?」と下手したらそんな風に思われるから気をつけてるんだけど。自分が眠いとか、仕事ダルいとかはお客さん相手には言えないよね。特に自分が仕事中ならそれはマズイ。

ならどうするか?

「さっき店の中で喧嘩があって、もう大変でしたよ」

こういうことなら喋れるよな。「仕事に関係する、明らかに自分に非はない愚痴」というか。

そう思えば四件目のセブンで話しかけたのは正解だった気がする。

それなりに忙しそうな感じなのに、いつまで経っても一人でレジをやってて救援が来ない。それで「一人しかいないんですか?」と聞いたところ、「今もう一人が体調悪くて休ませてるんですよ、お待たせしてすいません」と返ってきた。

こういうのを引き出して行けると会話が弾みそうな気がするんだよね。苦労とか大変さとか他の似たようなエピソードとかを引き出したい。

そのためには相手の状況をよくよく観察しないといけない。相手は今何をしてるのか。周りで何が起こっているのか。今何を考えていて何に興味があるのか。

んで奥手な人相手には「この人なら話しても大丈夫だ」と思わせる接し方も必要になってくる。笑顔で柔和で味方に立ってくれて、話を大げさに反応して共感して同情してくれるような接し方がいい。自分視点だと、あんまりオーラがあって威圧的な人だと話をしにくい。男性でも女性でもそうだ。要は人に道を尋ねるとかにどんな人だったら訪ねやすいか?を考えればいい。

俺なら無害そうなおばちゃんとか、自分より(言っちゃ悪いけど)弱そうな人を選ぶと思う。実際昔、東京でイースクへの道が分からなくておばちゃんに聞いたことがあった。

あと相手の味方に立つのがかなり大事なのかな。とも思う。

要は相手に同情して、仮想敵を非難するやり方だ。でも仮想敵の設定の仕方を間違えると、相手からすると苦労話や愚痴を言うことで自分の立場が危うくなってしまうから気をつけたい。

 

最後のラーメン屋さんでは、オススメのラーメンを聞いてみた。普通にこれがおススメです、みたいな感じで会話が終了してしまったんだけど、そもそもラーメン屋でラーメンそっちのけで会話するって言うのがおかしい感じはしてしまう。お前は何をしに来たんだと。長話するような場所ではないし。特に職人気質な人になると話すことをあまり重視しないから尚更難しい。心を開いてくれる人も少ないだろうとは思う。あと、ラーメンを食うカウンターから厨房が見えないのが難点だった。もし仮に話すんだったら、わざわざ店主をこちらまで呼び寄せなければいけない状況だったので余計に申し訳ない。

会話を続けたいなら、環境的にも時間的にも邪魔が入ってはいけない。

もしコンビニなら、忙しい時間帯や後ろにお客さんが並んでる状況では話すのは難しいし、作業に没頭しているときも避けたい。あと物理的な距離も大事で、自然と面と向かい合う形になる状況を作れるかどうかが鍵になる。ラーメン屋ではラーメンを出されたら店主は奥に引っ込んでしまうので会話が難しくなる。

あと最後にご馳走さま、美味しかったですとデカい声で言って去ろうと思ってたんだけど、恥ずかしくてめっちゃ早口かつどもりぎみかつ声が低い&小さいという結果に終わってしまった。

全体的に自分が思ってるより声が低いんだよなぁ。これはやっぱり恥ずかしさから出るものだと思うんだけど、そこは上限設定を解除しないといけない。

まず「感謝の言葉を述べられて不快になったことがあるか?」という上限。結論として、ない。逆に「デカい声でごちそうさまでしたと言って帰っていく客を見て、変に思ったことはあるか?」これもない。

「大きな声で喋ってうざがられたことはあるか?」

これもない。声が小さくて迷惑がられたことはあるが。

要は自分の声に自信がないんだ俺は。自分が接客してるときに「ありがとうございましたー」はデカい声で言えるのにな。それに相手の反応だってあってもなくても気にしない。マニュアル対応でみんなやってるからって言うのもあるだろうけど。

多分見た目と声のイメージが合ってないと自分で思ってるんだ。でも周りの人はそんなこと気にしないはずだ。お礼を言われて不快な人はいない。

それに人は基本的に「自分がどう思われてるか」と考えるのに必死だ。それは僕自身全く同じだ。相手の対応が変だとか思う余裕はない。いつも自分がどう見られてるか気にしてる。

と考えると、堂々と振る舞えば人から変に思われることなんてないんだと言うことが分かる。だから堂々としよう。

 

まとめると、

まず場所と人を選定する

面と向かい合えるような場所で、忙しそうではない場所や時間や人を選ぶ

相手に時間的、精神的、肉体的な負担をかけてしまうと会話が困難になる。

要は話すのが自然な状況が自然に生まれる場所を選ぶと楽になる。

 

相手を観察する

相手が今何の仕事をしているのかを見る、つまり興味を探る

相手の興味と自分の興味を共有する

自分を認識させる

可能な限り長い時間を使って、話しかける前に、相手にこちらについて少し興味を持たせる

できればアイコンタクトなどを誘導する

興味の対象について、エピソードや苦労話、事件などに関して質問などをする

大げさにリアクションを取って相手をがっかりさせない

 

と言った感じか。

 

この辺を意識して、今日はDAY2のミッションをこなしてくる。

今日のミッションは、昨日と同じように5人に話しかけることに加え、アイコンタクトをはかること。

アイコンタクト…これは難しいか?

アイコンタクトにも2種類あると思っていて、それは会話中のアイコンタクトと会話の前のアイコンタクトだ。ミッションの説明には、アイコンタクトを使って店員を呼んだり、タクシーを止めたりする訓練をするとより良いと書いてあった。要はこのアイコンタクトは、あなたに興味がありますよ、という意思を示す練習なのかもしれない。これはどっちのパターンを成功させるかで戦略が異なるように思う。

会話中のアイコンタクトを成功させるにはどうすればいい?

もし相手が目を合わせるのに対抗がある人だったら、無理やり相手の目を覗き込もうとでもしない限り無理だろう。その例は覗くとして、基本的にこちらは相手の目を見て話せばいいわけだけど、相手がこちらに視線を合わせたくなるのはどういう状況か?

まず思うのは距離が近すぎてはいけないということ。個人的に遠目の人には目を合わせられるけど、近いとちょっと合わせにくく感じる。あと常に相手の目を見続けるのも威圧感が出てしまって良くない。あと真っ正面から見つめるのも厳しそう。あと目を見開きすぎるのも良くない。これも威圧感が出る。見るとしたら斜め前くらいに立って、相手の話を聞いてる時に微笑みながら目を細めつつ見る感じか。

相手がこちらの目を見るポイントがあるかどうかは、ここら辺に気を配りつつあとは割と運任せとしか言いようがない気がする。

次に会話する前にアイコンタクトする場合。こっちを狙う方がミッションの目的的にも正しい気がするんだよね。昨日のお姉さんは会話の前にアイコンタクトがあったことで自然と会話につなげることが出来た。コンビニのレジにいる人より、お店で何か作業してる人を狙った方が成功する可能性は高い気がする。

 

ここまで書いたけど、結局うだうだ考えていても始まらないなぁーという結論。なので車で行けるとこ考えてとりあえず行ってなんとかしてみよう。

あとできればレジにいる人ではない人に声をかけていきたい。レジにいる人を対象にすると(特に長いコミュニケーションが必然的になされるカラオケ店など?)はズルしている感じかある。レジ意外で何かしら作業している人が良い。出来ればゲーセンとか行きたいんだけど車ではなかなか行けない、と思ったらナムコとかあったか。

考えすぎてわからなくなってきたので、夜に行ける場所を羅列してみる。あと金かからなそうな場所で。

 

コンビニ

本屋

ゲーセン

飲食店△(金かかる

スーパー

服屋

パチンコ△(うるさい

風呂△(金かかる

カラオケ△(金かかる

 

街中行くのが一番いいんだろうけどなー。

そういやコンビニで働いててめっちゃ話長い常連のおばちゃんいるんだけど、そういやこっちの目を見ながら話してくるから自然と目が合ってたなぁと。ただあれは話が長すぎるから、出来ない店員の人相手だと無視されてしまうだろう。でも話しかけ方、話題の作り方は学べそうな気がするので思い出しながらやってみよう。